世界一のサッカー選手であるメッシ。スタッツ、プレー、記録どれを取っても歴代最高クラスのレベルであるが、そんな彼ももう33歳。サッカー選手としての余生を考える段階に突入している。
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  世界最高の選手

メッシはサッカー人生のほぼ全てをバルセロナとともに過ごしている。13歳で入団以降、20年間に渡りバルセロナでプレーし続けているのだ。
彼の活躍によって低迷していたクラブは再び世界一に返り咲き、またその中で彼はクラブの中で確固たる地位を気づいた。


いつしか攻撃はメッシから始まりメッシで終わるようになっていた。周りの選手たちはメッシの動きに合わせ動き、メッシのために走るようになった。

スアレス、アルバ、ラキティッチ、セルジロベルト、ビダルらは皆メッシを生かすためにピッチに立ち試合をするような選手たちである。
外野の人々からMessi & Co.などと呼ばれ批判もされた。


ただ、この暗黙の了解によってチームの攻撃は活性化し、点は大量に生まれた。

はたしてピッチの反対側で守備をするときは、メッシは当然守備免除ですから、残りの9人が馬車馬のように走り回り、ひたすら耐えるといった感じ。
去年までは、守備をしないスアレスもメッシと必ずセットで先発でしたから、残り8人によるまさに耐久戦だったわけです。



だが昨夏、スアレス、ラキティッチ、ビダルら重鎮がこぞって退団。代わりに若手が大量投入され、世代交代がはかられました。もはや限界をむかえていたメッシ依存体制にも少しずつ変革が訪れていきました。


そんな中で最近ではメッシに異常なほどのスポットライトが当たっているのが現状です。昨夏のメッシ退団騒動以降、より一層言動の一つ一つが取り上げられるようになりました。

特に騒がれたことを挙げると、

1.メッシが退団を要請
昨夏にメッシは、クラブ宛に退団希望を申し入れました。ごたごたを経て、結局残留という結果に。


2.インタビュー
クラブの事情や自身の胸中を赤裸々に告白。

3.守備しない動画がツイッターで拡散
CLの試合で相手ボール保持者に対して全くプレッシングせず棒立ちする様子が拡散しまくった。

4.相手選手にラリアットして一発レッド
これ昨日の話です。スーペルコパ決勝で2-3のビハインド、残り時間もわずかというところで退場をくらってしまった。結局負けました。


バルセロナのキャプテンを務めるメッシは、こうしたことがある度にリーダーシップがない!や、もっと頑張れよ!などと批判されてきました。
特に、チームのパフォーマンスが悪い時やメッシ自身の得点ペースが落ち込んだときにはよく聞こえてくる批判です。


では、キャリアの黄金期を過ぎてしまったそんなメッシは、とうとう老害になってしまったのか。


私はそれは絶対に違うと思います。


たしかに、現代サッカーにおいて守備をしない選手は論外であるし、あまりにも影響力が強いせいで周りの選手が萎縮しているような側面もあると思います。



ただ、そんなの当たり前だよ、っていう話です。守備免除については数年前からとっくに明らかであったし、影響力が強いのも当然です。
他の選手が萎縮してしまうのはメッシの問題ではありません。他の選手のプロとしての実力の問題です。


ではなぜこんなにもメッシに悪いイメージがついてしまったのかというと、外部の要因が大きいと思います。しかも、いくつも要因はあります。

それらは、
1.バルセロナ史上最悪なクラブ幹部連中
昨年辞任したバルトメウ前会長を筆頭とするクラブ幹部たちの極悪とも言えるクラブ運営。選手を矢面に立たせ、自分は保身に走る。これを批判したメッシら選手がさらに悪者扱いされる。そもそも退団騒動もメッシがこの幹部たちに嫌気がさして起こったもの。

2.監督の小物感
前前監督のバルベルデはまだ耐えていた気もしますが、前監督のセティエンは完全になめられていました。監督よりもメッシのほうが立場が強いため批判もメッシに向かってしまいます。

3.ほぼ100%スタメン
そもそも先発落ちさせられるような選手ではありませんから、チームの成績が悪いとメッシに矛先が向いてしまう。先発に起用しないとなるとメッシがいないせいで負けた!になります。
ほぼフル稼働ですから疲労がたまってパフォーマンスが落ち込むのも仕方ない。

4.異次元の基準
普段神と崇められる選手にとって加齢や疲労によるパフォーマンス低下は許されない。

5.メディアおよび外野
もうとにかくうるさい。
メッシが誰かとハイタッチしなかったとかどうでもいいから。不仲でもなんでもない。煽りがすぎると思います。


こうした、もはやどうしようもない外部の要因によって批判が集中し、自分のクラブの運営陣に対しても敵扱いされてしまう。これはあまりにもかわいそうです。
プレー面においてもたしかにメッシは守備はしないけれども、それと引き換えに攻撃面の多大な貢献を昔も今もし続けているのを忘れてはなりません。


あと、昨日のラリアットに関しては進路妨害してきた相手に対してやってしまったものですが、それもゴール前の場面で、どうしてもゴールが必要だった状況においてです。これは人間として理解はできる行動かと思います。


最後に、メッシがチームのことを本当に思っている証拠として、スーペルコパ準決勝で休憩中チームに必死にアドバイスをするメッシの画像を載せておきます。
ではでは。


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 ベンチ外でも必死にアドバイスをするメッシ